髭脱毛のメリットとデメリット｜それでも僕が髭剃りを続ける理由

髭脱毛という言葉を耳にする機会は、もはや珍しくなくなりました。美容や清潔感を重視する男性が増えた今、脱毛は女性だけのものではなく「身だしなみの一部」として広く受け入れられています。中でも髭脱毛は、日々のひげ剃りから解放されることで「朝の時間に余裕ができた」「肌荒れが減った」といった実感を持つ人が多く、ストレス軽減の手段としても注目されています。

しかし一方で、髭を剃るという行為そのものに「自分を整える」「一日の始まりを感じる」という心理的な価値を見出す人もいます。便利さや合理性が進む現代において、私たちはその“儀式”のような行動を失っていないだろうか。
今回は、私自身の体験をもとに「髭脱毛のメリットと、あえて残す意味」について掘り下げて考えていきます。

髭脱毛がもたらす「快適な朝」

私の周りには、髭脱毛を終えた知人が何人もいます。彼らの共通点は「朝が楽になった」ということ。これまで毎朝のように鏡の前で髭を剃り、時間に追われ、出勤前から気分が沈んでいたのが、脱毛後には一変したそうです。
特に、髭が濃くて青髭がすぐ目立つタイプの人にとっては、脱毛は人生の質を変えるレベルの快適さをもたらします。朝の準備時間が短縮されるだけでなく、肌のヒリつきやカミソリ負けといったトラブルも減少。見た目の印象も清潔になり、自信を持って人前に立てるようになったという声も多いのです。

私自身も一時期、試験的に髭脱毛を受けていました。施術を重ねるうちに髭の密度が減り、剃刀を使う回数もぐっと減りました。肌が柔らかくなり、朝のスキンケアも簡単に済むようになったのを実感しています。
現代社会では、効率やスピードが重視される中で「髭脱毛＝時間の節約」として受け入れられるのは当然の流れでしょう。仕事に集中したい人や、身だしなみに気を使う営業職・接客業の人にとっても、髭脱毛は“自己投資”の一種といえます。

それでも「髭剃り」を続ける理由

とはいえ、私は今でも完全には髭脱毛をしていません。その理由は単純で、「髭剃り」という行為に精神的な意味を感じているからです。
朝、眠い目をこすりながら鏡の前に立ち、剃刀を肌に当てる瞬間。そこには“よし、今日も一日が始まるぞ”という小さなスイッチのような感覚があります。
髭剃りは単なる身だしなみではなく、「自分を整えるための儀式」だと思っています。たとえ数分で終わる時間でも、その行為が自分を目覚めさせ、心を引き締める。歯磨きや洗顔とはまた違う、静かな戦闘準備のようなものです。

もちろん、忙しい現代ではこの感覚を重視する人は少ないかもしれません。ですが、効率だけを求めてすべてを“自動化”してしまうと、人間としてのリズムを失う気がします。
私は髭剃りを「面倒な作業」ではなく、「自分を取り戻す時間」として大切にしています。たとえ数本の髭しか生えなくても、その数本を剃ることで、心が整う――そんな感覚が、今の自分には心地よいのです。

髭の存在意義と“人間らしさ”

現代人にとって体毛の役割はどんどん薄れています。服を着る生活では保温や保護のための毛は必要なく、マスク生活によって顔の下半分も隠れるようになりました。
「じゃあ髭もいらないじゃないか」という意見は正しいでしょう。
しかし、人間はあらゆるものを“不要”と切り捨てたとき、本当に豊かになれるのでしょうか。

髭というのは、言い換えれば「自然体の象徴」でもあります。
それを毎朝整えることで、自分の意識や生活を律する。
人によっては煩わしいものかもしれませんが、私にとっては“生きている証”のようにも感じます。
文明が進み、便利さが極まるほど、私たちはこのような「人間らしい不便さ」を手放しているのかもしれません。
髭脱毛が悪いという話ではありません。むしろ、ストレスを減らす手段として素晴らしい。
ただ、その一方で「髭を剃る時間すら惜しい」と思ってしまうほど、心の余裕がなくなるのは寂しい気がします。

まとめ

髭脱毛には明確なメリットがあります。
時間の節約、清潔感の維持、肌トラブルの軽減。これらは日々を快適に過ごすうえで大きな価値です。
一方で、毎朝の髭剃りにもまた、“自分を整える”という精神的な価値があります。
脱毛をするかどうかは、単に便利さを選ぶかどうかではなく、「自分にとって何が心地よいのか」を見極める選択だといえるでしょう。

私は、髭剃りという小さな行為の中に、人間らしいリズムと心の整理を感じています。
髭脱毛を選ぶ人も、あえて残す人も、その理由が“自分の軸”であれば、それが最良の選択です。
あなたはどちらを選びますか？